【東チベット・カム地方】東アジアどっぷり紀行⑤ -成都・康定・理塘・丹巴-
前回からのつづき・・・
areyoukiddingme.hatenablog.com
再・成都
1週間雄大な自然とチベット人の篤い信仰心に魅せられた毎日だった
たかが1週間ぶりだというのに成都の高層ビルやデパート、ファストフード店を見て妙に興奮しました
成都へと向かうバス車内からスマホで写真を撮りまくるチベット人僧侶の気持ちが分かった気がするな
ユースのシムズへ再びチェックインしてからは、気分転換を兼ねて成都の伊勢丹にあるとんかつ和幸へ行きました
久しぶりの日本のお米はつやつやでふっくらしてておいしい、とんかつ定食に歓喜するなんて、よほど日本食は遠い存在になっていたんだと思う
そんな和幸で味わったささやかな幸せの2日後、2度目のビザ更新をするために公安へ
カシュガルでのトラウマからまた申請を断られたりしないかな?なんて不安を抱えながらもあっさり受理
確実なことは言えないけど、やっぱり大きい都市だと申請に通りやすいんだろうか
ビザ待ちの1週間は結構時間を持て余すかもな、と思いつつ久しぶりの1人を満喫したり、次の東チベットはどこに行こうかな、と計画を立てたりしながら成都ライフを楽しみました
康定(カンディン)
康定市は中国四川省カンゼ・チベット族自治州東部に位置する県級市。康定はチベット族、漢族、回族、イ族など多数の民族が雑居する。
康定(カンディン)
あぁ楽しみ、また東チベットに行ける喜びで興奮が止まらない
康定にあるユースはバス停から歩いて2分ほどのところにあったからうれしい
ここですることは特になくて経由で1泊するだけですが、ユースのあたりを散歩してみると温泉街のような大きな濁流がある地域でした
ひょっとすると本当に温泉があったりするのかもなぁ
翌日は塔公というところに行こうと思っていましたがそこへはバスが通っていないらしく、シェアタクする仲間も見つけられないので断念、次の候補だった理塘(リタン)に行くことにします
理塘(リタン)
理塘県は中国四川省カンゼ・チベット族自治州西南部に位置する県。チベット仏教史上重要な人物がリタンの地で生まれている。リタンの町は海抜4,014mという高原地帯にあり、チベットの主都ラサより400m高所にあり世界でも最も高い場所にある街のひとつである。
理塘(リタン)
カンディンからバスで10時間ほど走ってリタンに着きました
目星をつけておいた宿はあるけど適当に探せばもっといい宿あるかも、と少し歩いてみたらなんとユースの看板が!偶然に発見したものだから嬉しくなった
オフシーズンでガラガラだったけど
ラルンガルとカンゼで高度順応はできてるし元気なので到着してすぐでもふつうに動きまわれます
成都のシムズで買った地図を片手にぶらぶら歩いていると、立派なストゥーパとたくさんの人たちを発見、座って談笑しているカムのおじさんたちはフレンドリーでした
今日は下見のような感じで街歩きをし明日は本格的に動きます
朝早く起きてリタンゴンパへ
きつい坂道をお年寄りでもマニ車を片手にコルラしています
坂道は大変だったけど景色は綺麗だし空は驚くほど澄んでいて青い、ここに来れて本当によかった
立派なゴンパや絵になるチベット人もいいけれど、自然の中に暮らすチベット人がいる地域にも行ってみたいなと思っていると、たまたま中国人の女の子2人が「チベット人の案内で草原の村まで行くから一緒に行こう」と誘ってくれました
うん、これは行くしかない
バイクで案内されて着いた場所は遠くまで広がる大草原と小さな村、案内役のチベット人の家に招かれるとお母さんと小さな子ども2人とおばあちゃんがいた
バター茶を用意してくれたけど、とてもじゃないけど飲み切れない・・・
さらに食事を用意してくれたのはありがたいけど、半解凍された骨付きの生肉はワイルドすぎるでしょう
これお腹壊す自信めっちゃあるんですけど、と思いながらちょっとずつかじったけれど美味しいわけないし、ってか血の味しかしないし
せっかくご馳走してくれたのに申し訳なく微妙な方向に行きそうだったけどそれ以外はいい時間を過ごせました
その家から離れてさらにバイクで進んでいくと、これぞ私の見たかった景色が
大草原に広がる地帯に温泉が湧き出ていて、そこにいる少年僧たちが洗濯をしたりゆで卵を作ってはしゃいでいました
がっつり温泉に入浴している子もいて人里離れたこの土地に一定期間ここで修行しているのかもしれません
丹巴(ダンバ)
丹巴県は中国四川省カンゼ・チベット族自治州の東部に位置する県。チベット族の中でもギャロン・チベット族と呼ばれる人々が多く住む。県内の著名な名勝には美人谷と呼ばれ、美人の多さと風景の美しさで知られている。
丹巴(ダンバ)
ダンバは美人が多い村として知られていて、さらに中国が選ぶ10の美しい村のひとつとも言われているらしい
他のチベット圏と比べても標高は低く、緑もいっぱいで野菜や果物がたくさん育っている
今まで周った東チベットは荒々しく厳しい大地でとっくに冬を迎えていたから、ダンバでの実り豊かな秋らしい光景は新鮮な気分にさせてくれます
宿泊先はバスターミナルで声を掛けられたドライバーのお宅に泊まることにしました
ごはんは中華風で野菜を使った料理もたくさん、どれもこれも美味しい
街を歩いてみたところ、ダンバにはゴンパが見当たらないしタルチョもないし、もしかするとあまりチベット仏教色は強くない地域なのかもしれない
その代わり野生動物の頭蓋骨が壁に掛けられていたり、乾燥させた唐辛子を首飾りのように掛けられていたから、もしかするとこの土地ならではの信仰があったりするのかも
それから美人谷と言われるくらいだからあたりを散策すれば行き交う人は美人だらけ、あちこちで見かけてしまうかもしれないな、と思いながら歩くもすれ違う女性は年配の女性、おばあちゃん、子どもしか出会わないので不思議に思いました
そのことを宿泊先の人に話すと「ここに美人はいないよ。みんな北京とかの大都市に行って出稼ぎに行ってるからね」とのこと
あっそうなんだ、じゃあ美人を生む村、くらいに留めといたほうがよいかもしれないね
滞在中は気持ちのいい秋晴れが続いていて、すれ違う人や牛、変わったかたちの住居が次々に見えてきます
こんな山の斜面や崖の近くで野菜を育てているんだ、というくらい山間に沿って暮らす村を歩きまわりました
再々・成都
3度目の成都に戻ってきました、ここが最後の街
中国2ヵ月間の滞在で行きたいところに行けたし満足、実際は欲が出て行きたいところが増えてしまったけどね
中国人は世話焼きで情に厚くて温かい人ばかりで中国がとても好きになった
当初のイーニンから入国した恐怖と不安はどこへやら、まさかこんなに夢中になるとは自分でもびっくりです
出国2日前と前夜にはシムズにいたメンバーが2日ともご飯に連れて行ってくれて、思い出深い最後の滞在になりました
シムズのラウンジスペース兼飲食スペースはとても広いんだけど、そこにはいつも近所に住む学生や会社員も利用しています
外国人が多く泊まるシムズに来れば、日本語を勉強中の人、英語、フランス語などを学びたい中国人にとっては話せるチャンスなのです
中には語学に興味のない中国人もいるけれど、みんな国際交流を求めてやってくるんだね
おかげで私もたくさんのことを教えてもらえたからシムズでの毎日は本当に楽しかった
あまりに居心地が良くて充実していたから、アジアを越えて北米に向かうのが緊張するな
ありがとう、中国、離れてすぐに食べ物が恋しくなることが目に見えているけど、次に行きます