【東チベット・カム地方】東アジアどっぷり紀行⑤ -成都・康定・理塘・丹巴-
前回からのつづき・・・
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再・成都
1週間雄大な自然とチベット人の篤い信仰心に魅せられた毎日だった
たかが1週間ぶりだというのに成都の高層ビルやデパート、ファストフード店を見て妙に興奮しました
成都へと向かうバス車内からスマホで写真を撮りまくるチベット人僧侶の気持ちが分かった気がするな
ユースのシムズへ再びチェックインしてからは、気分転換を兼ねて成都の伊勢丹にあるとんかつ和幸へ行きました
久しぶりの日本のお米はつやつやでふっくらしてておいしい、とんかつ定食に歓喜するなんて、よほど日本食は遠い存在になっていたんだと思う
そんな和幸で味わったささやかな幸せの2日後、2度目のビザ更新をするために公安へ
カシュガルでのトラウマからまた申請を断られたりしないかな?なんて不安を抱えながらもあっさり受理
確実なことは言えないけど、やっぱり大きい都市だと申請に通りやすいんだろうか
ビザ待ちの1週間は結構時間を持て余すかもな、と思いつつ久しぶりの1人を満喫したり、次の東チベットはどこに行こうかな、と計画を立てたりしながら成都ライフを楽しみました
康定(カンディン)
康定市は中国四川省カンゼ・チベット族自治州東部に位置する県級市。康定はチベット族、漢族、回族、イ族など多数の民族が雑居する。
康定(カンディン)
あぁ楽しみ、また東チベットに行ける喜びで興奮が止まらない
康定にあるユースはバス停から歩いて2分ほどのところにあったからうれしい
ここですることは特になくて経由で1泊するだけですが、ユースのあたりを散歩してみると温泉街のような大きな濁流がある地域でした
ひょっとすると本当に温泉があったりするのかもなぁ
翌日は塔公というところに行こうと思っていましたがそこへはバスが通っていないらしく、シェアタクする仲間も見つけられないので断念、次の候補だった理塘(リタン)に行くことにします
理塘(リタン)
理塘県は中国四川省カンゼ・チベット族自治州西南部に位置する県。チベット仏教史上重要な人物がリタンの地で生まれている。リタンの町は海抜4,014mという高原地帯にあり、チベットの主都ラサより400m高所にあり世界でも最も高い場所にある街のひとつである。
理塘(リタン)
カンディンからバスで10時間ほど走ってリタンに着きました
目星をつけておいた宿はあるけど適当に探せばもっといい宿あるかも、と少し歩いてみたらなんとユースの看板が!偶然に発見したものだから嬉しくなった
オフシーズンでガラガラだったけど
ラルンガルとカンゼで高度順応はできてるし元気なので到着してすぐでもふつうに動きまわれます
成都のシムズで買った地図を片手にぶらぶら歩いていると、立派なストゥーパとたくさんの人たちを発見、座って談笑しているカムのおじさんたちはフレンドリーでした
今日は下見のような感じで街歩きをし明日は本格的に動きます
朝早く起きてリタンゴンパへ
きつい坂道をお年寄りでもマニ車を片手にコルラしています
坂道は大変だったけど景色は綺麗だし空は驚くほど澄んでいて青い、ここに来れて本当によかった
立派なゴンパや絵になるチベット人もいいけれど、自然の中に暮らすチベット人がいる地域にも行ってみたいなと思っていると、たまたま中国人の女の子2人が「チベット人の案内で草原の村まで行くから一緒に行こう」と誘ってくれました
うん、これは行くしかない
バイクで案内されて着いた場所は遠くまで広がる大草原と小さな村、案内役のチベット人の家に招かれるとお母さんと小さな子ども2人とおばあちゃんがいた
バター茶を用意してくれたけど、とてもじゃないけど飲み切れない・・・
さらに食事を用意してくれたのはありがたいけど、半解凍された骨付きの生肉はワイルドすぎるでしょう
これお腹壊す自信めっちゃあるんですけど、と思いながらちょっとずつかじったけれど美味しいわけないし、ってか血の味しかしないし
せっかくご馳走してくれたのに申し訳なく微妙な方向に行きそうだったけどそれ以外はいい時間を過ごせました
その家から離れてさらにバイクで進んでいくと、これぞ私の見たかった景色が
大草原に広がる地帯に温泉が湧き出ていて、そこにいる少年僧たちが洗濯をしたりゆで卵を作ってはしゃいでいました
がっつり温泉に入浴している子もいて人里離れたこの土地に一定期間ここで修行しているのかもしれません
丹巴(ダンバ)
丹巴県は中国四川省カンゼ・チベット族自治州の東部に位置する県。チベット族の中でもギャロン・チベット族と呼ばれる人々が多く住む。県内の著名な名勝には美人谷と呼ばれ、美人の多さと風景の美しさで知られている。
丹巴(ダンバ)
ダンバは美人が多い村として知られていて、さらに中国が選ぶ10の美しい村のひとつとも言われているらしい
他のチベット圏と比べても標高は低く、緑もいっぱいで野菜や果物がたくさん育っている
今まで周った東チベットは荒々しく厳しい大地でとっくに冬を迎えていたから、ダンバでの実り豊かな秋らしい光景は新鮮な気分にさせてくれます
宿泊先はバスターミナルで声を掛けられたドライバーのお宅に泊まることにしました
ごはんは中華風で野菜を使った料理もたくさん、どれもこれも美味しい
街を歩いてみたところ、ダンバにはゴンパが見当たらないしタルチョもないし、もしかするとあまりチベット仏教色は強くない地域なのかもしれない
その代わり野生動物の頭蓋骨が壁に掛けられていたり、乾燥させた唐辛子を首飾りのように掛けられていたから、もしかするとこの土地ならではの信仰があったりするのかも
それから美人谷と言われるくらいだからあたりを散策すれば行き交う人は美人だらけ、あちこちで見かけてしまうかもしれないな、と思いながら歩くもすれ違う女性は年配の女性、おばあちゃん、子どもしか出会わないので不思議に思いました
そのことを宿泊先の人に話すと「ここに美人はいないよ。みんな北京とかの大都市に行って出稼ぎに行ってるからね」とのこと
あっそうなんだ、じゃあ美人を生む村、くらいに留めといたほうがよいかもしれないね
滞在中は気持ちのいい秋晴れが続いていて、すれ違う人や牛、変わったかたちの住居が次々に見えてきます
こんな山の斜面や崖の近くで野菜を育てているんだ、というくらい山間に沿って暮らす村を歩きまわりました
再々・成都
3度目の成都に戻ってきました、ここが最後の街
中国2ヵ月間の滞在で行きたいところに行けたし満足、実際は欲が出て行きたいところが増えてしまったけどね
中国人は世話焼きで情に厚くて温かい人ばかりで中国がとても好きになった
当初のイーニンから入国した恐怖と不安はどこへやら、まさかこんなに夢中になるとは自分でもびっくりです
出国2日前と前夜にはシムズにいたメンバーが2日ともご飯に連れて行ってくれて、思い出深い最後の滞在になりました
シムズのラウンジスペース兼飲食スペースはとても広いんだけど、そこにはいつも近所に住む学生や会社員も利用しています
外国人が多く泊まるシムズに来れば、日本語を勉強中の人、英語、フランス語などを学びたい中国人にとっては話せるチャンスなのです
中には語学に興味のない中国人もいるけれど、みんな国際交流を求めてやってくるんだね
おかげで私もたくさんのことを教えてもらえたからシムズでの毎日は本当に楽しかった
あまりに居心地が良くて充実していたから、アジアを越えて北米に向かうのが緊張するな
ありがとう、中国、離れてすぐに食べ物が恋しくなることが目に見えているけど、次に行きます
【東チベット・カム地方】東アジアどっぷり紀行④ -ラルンガル・甘孜-
前回からのつづき・・・
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成都からマルカムを経由して色達(セルタ)のラルンガルに向けてバスは進みます
内心はドキドキ、外国人の立ち入りが禁止されている場所へ入れるのか、無事ラルンガルのゲートを通過できるのか
幸運なことに仕事熱心じゃない公安のおかげと極寒で監視の目がゆるくなる時期が重なって、バス車内での巡回チェックは行われなかった
万が一バスの中に公安が乗り込んできた場合には、ひたすらまぶたを閉じて寝たふりを決め込むという脆弱な作戦を立てるくらいしかなかったので、ラルンガルに入れて本当にホッとしました
基本情報
国(地域):東チベット カム地方
ルート:⑴ラルンガル▶︎⑵甘孜(カンゼ)▶︎⑶再・成都▶︎⑷康定(カンディン)▶︎⑸理塘(リタン)▶︎⑹丹巴(ダンバ)▶︎⑺再々・成都
期間:30日間
時期:11月, 12月
ラルンガル(色達)
ラルンガル僧院は中国四川省カンゼ・チベット族自治州色達県にある世界最大の仏教学院がある。標高4,000mの高地に、4万以上の修行小屋が建ち並ぶチベット仏教の聖地である。
ラルンガル
「Welcome to Tibet!」バスを降りると少年僧が笑顔で元気に言ってくれた
これを聞いて私は今からのチベットの旅が最高のものになるって確信した
旅仲間とシェアタクシーを利用し急な坂道をのぼってホテルまで向かう途中、突然現れたたくさんの赤い小屋たち、同行者のKちゃんが「天国に来たみたいだ・・・」とつぶいやいていて本当にそのとおりだとうなずきました
ずっと来たいって強く思っていた場所にいま私は来たんだ
インドのブッダガヤから思いを温め4年かかってようやくここに来たのです
標高は4,000m近くある
頭痛薬の紅景天を飲んだけどほとんど効いてないみたいで、とにかく頭が痛くて重い
タジキスタンのムルガーブの時と全く同じ症状だったけれど、寝込むわけにはいかない
ゆっくりでもいいからと言い聞かせて坂道を歩きます
他の仲間も息が苦しそうだったけど、それ以上にラルンガルに来た喜びと興奮のほうが勝っていたと思う
こんな景色見たことない、こんなたくさんの修行僧も見たことない
尼僧院には小さな女の子からおばあちゃんまでたくさんの人がお経を読んだり勉強したりと修行に励んでいました
その独特な空気感に圧倒されてあまり写真も撮れず邪魔してはいけない雰囲気を感じます
ゴンパには朝早くから夜遅くまで一心不乱に五体投地するチベット人やマニ車を片手にコルラする人をたくさん見かけました
そういった光景を眺めていると、この人たちは人生に迷いがないんじゃないかと思えてくる
だって揺るぎなく迷いもなく信じるものがあるんだから
ラルンガル滞在の途中ではチベット仏教の葬儀のひとつ、鳥葬を見学しにでかけました
チベット仏教では人は亡くなると魂はなくなりただの肉体となる
その肉体を砕いて鳥類に捧げることで天へと送り届けることができる、ということ
また人間は生きている間、他の生き物から生命を頂いているから死んだこの肉体を他の生き物に還元しよう、ということ
そのほか、火葬するには薪になる資源が乏しいという理由から鳥葬が一般的なのだそう
映画で観たおくりびとでは、死んだ人に化粧を施し、できるだけ綺麗な姿で送り出してあげようという死んでもなお、人権を意識させる日本ならではのプロセスに感じる
人は死んでも人のままだ、人のカタチとして存在している間は丁寧に扱おう、というのが伝わる
相反するチベットと日本の死に対する捉え方であるけれど、どちらも美しいと思った
鳥葬が行われる丘の上で待っていると棺桶に入った遺体が運ばれてきました
棺桶の周りには5人ほどのチベット人がお経を唱えること数分後、遺体が取り出されて斧のようなもので砕いていきます
その近くで見ていた遺族らしき集団は誰も泣いている人はいなかった
血の匂いを嗅ぎつけてか、鳥葬が行われる丘には次々とハゲワシが集まりだし、今か今かとみな遺体の一点を集中して見つめていました
たかが鳥、されど鳥、翼を広げて舞うハゲワシは2mはあるんじゃないか、というほどものすごい迫力で自分も狙われるんじゃないかと思うほど威圧感がありました
職人が仕事を終えてハゲワシに向かって声をあげると一斉に食らいつくハゲワシ
弱気な奴にはおこぼれももらえないよ、というくらい肉体に対してハゲワシが群がりすぎているようにも見えます
その光景には終始圧倒されるばかりで・・・
葬儀が終わったあとは皆無言で宿まで帰りました、もう感想を言い合う会話はいらなかったのです
滞在して3日目の昼、丘の上からラルンガルの景色を一望できる場所まで歩きました
そこで見たのはやっぱりここは天国だということ
この満たされるような気分はなんなんだろう
甘孜(カンゼ)
甘孜県は中国四川省カンゼ・チベット族自治州北西部に位置する県。県内は峡谷と高山が多く海抜は3,325mから5,688mまで達する。県名のカンゼはチベット語で「白く美しい」を意味する。
甘孜(カンゼ)
乗り合いで一台の車をチャーターしての移動はとにかく窮屈だった
ラルンガルですでに標高は4,000mほどあったのに、移動中はさらに寒くなり酸素も薄くなっていたからそれ以上の峠を越えてきたのだとわかります
狭くて舗装も十分にされていない道はドライバーの荒い運転スキルが重なって恐怖の時間だった
仲間の1人が「もう少し運転気を付けてよ」とドライバーに言うとイラッとしたのかさらに運転は荒々しさを増していく悪循環
谷底にいつ落ちてもおかしくない状態で私は車の中で縮こまっていました
そんな恐怖とピリついたムードの車内から解放されて山道を越え、カンゼに到着
中心部に着くと不自然に作られた街で標識や看板は中国語だらけ、新しく最近塗り替えましたって雰囲気が漂っていました
ラルンガルに行ってからのカンゼにはあまり期待できないかな、と思っていたけれど少し奥を歩けば全然そんなことはなくて、カンゼの人たちはとても友好的だしいい感じです
そしてカムの男たち、本当にかっこいい!なにこの勇ましくてサムライみたいな人たち
ちなみに中国式のチベット文化圏はチベット自治区とか◯◯省といったパート分けをしますが、チベット本来の地理ではウ・ツァン、カム地方、アムド地方と大きく3つに分けられ、今回私が行ったチベット圏は本来のカム地方にあたります
カムの男がかっこいい、からこの流れ
さて、またタクシーを利用してカンゼゴンパへ行きました
12時くらいに着いたのでちょうど僧侶たちの昼食時間に僧院の中に入れてもらえることになりました
少年僧が小走りしながら配膳をする姿は一休さんのようで可愛らしかった
食べる前にお経を2分ほど唱えてからみな一斉に食べ始める、みんなすごい静かに食べるんだなぁ
こんなプライベートな時間に中にいれてもらえるなんて幸運でした
次は河にかかる橋を見に行ったり、また別のゴンパを見学しに歩く
「中に入ってもいいですか?」と聞くと年配の僧侶は快く迎え入れてくれました
2階にある奥の部屋まで通されると、「みなさん座ってください」のジェスチャーをされる
するともう1人の僧侶が私たちのためにお経をあげてくれました、その時間10分ほど
当然何を意味する言葉なのかまったく分からなかったけれど、その気持ちがすごく嬉しくて涙を堪えるのに必死でした
来るべくしてここに来たんだな、チベットが私を引き寄せてくれたんだな、としみじみ思い幸せな気分に
1週間をともに過ごした仲間とも明日で解散、このままチベットにいたいけど私はビザ更新のために一度成都に戻らないといけません
【中国】東アジアどっぷり紀行③ -昆明・成都・マルカム-
前回からのつづき・・・
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出発日は予定より1日遅れてラオス▶︎中国・雲南省まで戻ります
再・昆明
スリーピングバスとはいえ33時間の移動はけっこうきつい
何がきついかって誰かがトイレしたい!って言わない限り、このバスが食事休憩以外でストップすることはなかったんだから
私はトイレが近いのでできればお手洗いのある列車が安心ですが、バス一択の場合は仕方ない、自分が調節するしかないのです
長距離バスに乗る1時間前からコーヒーは飲まず、冷たいジュースも飲みません
常温の水以外は口にしないようにすれば、普段よりトイレに行く回数を減らせるのです
丸一日以上水だけで喉をうるおすと味気ないけれど、到着先のバス停でコーラとかコーヒーを飲むと一層おいしく感じるものです
食事兼トイレ休憩で立ち寄った場所ではバスの知らない女性から「トイレ行きたいからちょっと持ってて」と赤ちゃんを急に渡されたりと人との距離感にびっくりすることもしばしば
やがて中国に再入国するとなんともいえないこの安心感、昆明の南バスターミナルに着いたのが22時くらいで少し心配になりながらも客引きのおばさんの白タクで再び傾城ユースにチェックインできました
次の日、鉄道駅まで行って成都行きのチケットを買いに行った
2,3日先まで席は空いてないかもなって思っていたから、翌日のチケットが買えてラッキー
宿泊先のユースからバスターミナルまでは遠かったものの、鉄道駅へはわりと近かったので楽できました
そして中国の移動ではカップラーメンが欠かせない、お約束のような定番になっています
どこでも無料で手に入るお湯は寒い今の時期は助かるし、他の国ではあまり飲めないさっぱりしたお茶が飲めるのもうれしい
東南アジアによくある砂糖入りの緑茶じゃなくて、日本で親しんできたあのお茶が欲しいんです
この間マイボトル買って正解だったなぁ、思ったより活躍してる
列車内の移動中は隣の席だった親子がフルーツやごはんを分けてくれて、話しかけてきてくれたおかげで時間はあっという間に過ぎていきました
成都は中国四川省の省都であり、副省級市。良好な自然条件のうえに古い歴史と文化をもち、「天府の国」と称される。また、香辛料を多く使用する四川料理の中心地であり、2010年にはユネスコの「食文化創造都市」に認定された。
まだ薄暗い朝の6時前、成都に着きました、だいぶ寒いです
バスでユースホステルのシムズまで行くのが面倒だったのでバイタクに乗って移動、さらに寒いです
チェックインも早々に早くチベット圏に向かいたい気持ちで、フロント近くのスペースで色達(セルタ)行きのバスターミナルを探していると、日本人の声がしたので挨拶をした
どうやら彼らも明日色達にいくらしい
久しぶりに会う日本人との会話は弾んで朝なのにすごいしゃべりました
それにしても茶店子バスターミナル場所、遠い
昆明でもそうだったけど、バスターミナルまで行く時点ですでにプチ旅行になっているくらい遠いとは中国はどんだけ大きいんだって話です
シムズで知り合った日本人数人からチベットを一緒に周らない?と声を掛けていただきこれも何かの縁だと思うので便乗することに
ウィグルを含むこのあいだまでの中国では全然日本人を見かけなかったのに成都に来た途端、なかなかの数の日本人に会いました
成都に着いてこういう展開になると想像していなかったけれど、けっこう面白そうです
マルカム
マルカム県は中国チベット自治区チャムド県のひとつ。人口は5万人。県名チベット語で「善妙なる地域」の意。井塩を産することで名高い。
マルカム
朝6時10分発の色達行きのバスが走り出すとなんともいえないこの高揚感
チベットが楽しみすぎてわくわくが止まらない
中国の空は分厚くてくすんでて太陽が見えないくらい霞んでいる
でも標高が上がると空気も薄くなって空も青く、日差しも強くなってきた
私たちは成都からノンストップで色達まで行けると思っていたのに、15時頃よく分からない町、マルカムでバスは停車して「今日はここで1泊してから明日の早朝にまた出発します」と想定外のことをドライバーから言われました
ここは本当に何もなさそうな町だけど、仲間がいるので退屈になることはなさそうです
とりあえずしゃべっていれば時間はあっという間に過ぎていくから、こういう時ひとりじゃないっていいなと思える
そして昨日と同じく早起き
景色がどんどんチベット色に変わっていく・・・
【ラオス】東アジアどっぷり紀行② -寄り道ラオス-
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中国のビザ更新をするため一度ラオスに抜けてビザランすることにしました
余力があればヴィエンチャンの中国大使館でビザを取るつもりで出発です
再・ルアンパバーン
1年ぶり2度目のラオス入国は大型の国際バスで移動
バス車内で一緒だった中国人の若い3人組にどこ泊まるの?と聞いて便乗することにしました
ルアンパバーンは前にきたことがあるけど、着いたバスターミナルは知らない場所だったしもう夜だったので1人じゃないほうがいいですね
メコン川沿いに着いた宿のオーナーは天津出身の中国人だった
私以外の宿泊者は全員中国人で人民の結束力のようなものを感じました
個人的には雲南省での中国体験に少し慣れていたから抵抗なく楽しく過ごせたかな
そんな流れからある日、中国領事館の職員からパーティーに呼ばれました
ラオスにいながらがっつり中国人と交流している私
しばしビザの心配事を気にせず済むにぎやかな時間になりました
再・ビエンチャン
わけのわからないところでバスで降ろされて、人に聞いてまた聞いてを繰り返してやっとビエンチャンの中心部までこれました
前回来たときはどこに安宿街があるのか分からなくて少し離れたところに泊まったけど、今回は完全に中心部です
さらによく歩いてみるとすでにチェックインした場所より安い宿を後から見つけたりもしましたがまぁ良しとします
レンタサイクルで迷いながら中国大使館にたどり着き、いざビザのお願いをするもなかなか面倒な条件を言われました
せっかく雲南からビエンチャンまで来たけれど、もういっか、またノービザからやり直して中国まで戻ろう
この暑いなか帰り道も頑張って自転車を漕いでいたら車輪にロングスカートの裾が絡まって動けなくなる事態に
体と自転車がくっついたような感じで進めず戻れずみたいな状態で近くにいる若い男性2人に声を掛けたら不審者がられて無視されました
それから通りがかった女性が気づいてくれて、ささっと絡まりを解いてくれたので助かったけど、恥ずかしすぎました
そんなトラブルに見舞われつつ翌日の昆明行きバスを予約・・・が、出発の午前に代理店の女性が宿泊する宿まできて「バス イズ ブロークン」「故障により今日のバスはなくなりました。また明日ですね」と言われました
「今日はごめんなさいね、明日バスくるからね」とお詫びに今日泊まる分の宿代を渡してくれました
そうともなれば大好きなチキンバゲッドを食べ納めして、最後のラオスを味わいます
【中国】東アジアどっぷり紀行① -昆明・元陽・西双版納-
中央アジア・新疆ウイグル自治区とシルクロードの旅を終えてウルムチ▶︎昆明へと飛行機で飛びました
そんなわけで東アジア編がスタートします
基本情報
国:中国
ルート:⑴昆明▶︎⑵元陽▶︎⑶西双版納▶︎寄り道ラオス▶︎⑷再・昆明▶︎⑸成都
期間:10日間
時期:10月, 11月
昆明は中国・雲南省の省都であり、雲南省の政治、経済、文化、交通の中心地である。また1400年の歴史を有する国家歴史文化名城でもある。
ウルムチから蘭州経由で昆明へは5時間ほどで到着、飛行機ってやっぱり早くて便利だ
当日の昼までウィグルにいたから本格的な中国というのは今日が初、雲南省の昆明からスタートということになります
少しばかり免疫もできてるから本格的な中国でもわりと平気なはず
空港の外へ出ると白タクのおばちゃんに声をかけられて車に乗り込むと「ちょっとそこで待ってて」と言われた
なんでだろ?と少し心配な待ち時間だったけど、後からおばちゃんは数人の客を引き連れてきて、あぁシェア形式でのタクシーなんだ、と理解しました
そうだね、たくさん人を乗せたほうがガソリン代も浮くしね
すでに時刻は22時くらいにもかかわらず平気で移動ができるのは治安がいいからだろうか、運転手が女性の時点で安全なような気がした
目星を付けておいたユースにすんなりとチェックイン、傾城ユースも綺麗で優秀でした
翌日は朝6時に起きて元陽行きのバスチケットを買いに行きます
席の確保ができるなら今日移動してしまいたいと思っているところ
さすが大きな中国、昆明は方角ごとにバスターミナルが別の場所にあるみたいで、しかもそれぞれが全部遠く離れた場所にある
Googleマップを使っても徒歩3分の場所にあるはずのバス停が見つけられなくて2時間ぐるぐるとさまよい歩きました
雨も降っているし、とんだロスタイムを生んでしまったな
とにかくすっごく分かりにくい、バス停を見つけてやっと1時間20分かかって南部バスターミナルに到着です
今日の晩に出発する元陽行きのチケットが買えたので、またさっさと傾城ユースに戻りシャワーを浴びて出発の準備
今までの旅とは比べものにならないほど急いであちこち動いてるな〜
朝は2時間迷ったけど次は平気、本当にユースから徒歩3分の距離にありました
元陽
元陽は中国雲南省紅河ハニ族イ族自治州に位置する県。ハニ族・イ族・タイ族などの少数民族が暮らす山岳地帯である。また、元陽県を中心に紅河県、緑春県、金平県など複数の県に及ぶ世界文化遺産の紅河ハニ族棚田の場所として知られる。
元陽
昆明を21時に発ったバスは元陽に深夜3時に到着予定
中途半端な時間でどうやって過ごそうかなと考えていたけど、そのバスは外が明るくなるまで停車しその間はバス車内は消灯、外が明るくなるまで乗客全員を乗せて寝かすというスタイルでした、なんて安心感、気が利くな〜
夜が明けて朝になってもどんより雨が降りがちな天気のまま
朝日がきれいに見れるらしい多依樹エリアに泊まることにしました
バスを降りてタクシーを相乗りした欧米人は多依樹のユースを予約しているらしいので、便乗して私もユースまで行くことに
元陽に来た目的はあの世界一の棚田が見たくてやってきたのです
早く見たい、小雨が降っては止んでまた強く降ってさらには霧がかなりあったのでその日は視界がとても悪かった
翌日はリベンジするべく夜が明ける前から展望台に向かいました
朝日が顔をだし、霧は流れて視界がだんだんひらけてきた
そこにはどこまでも続く棚田と水面に反射する光が美しかった
やっと見れた、やっとこれた、私の期待通りの美しさです
西双版納(シーサンパンナ)
西双版納(シーサンパンナ)は中国雲南省の最南端に位置する自治州。首府は景洪市であり、古より少数民族タイ族(ルー族)が住居し、象が生息、上座部仏教が盛んであるなど東南アジアのような光景が見られるため、近年観光地として発展している。
西双版納(シーサンパンナ)
見たかった棚田の景色も見れたし満足
元陽▶︎景洪までの直通バスはないので途中、緑春で乗り換えが必要とのこと
出発がそもそも昼過ぎだったし緑春に着いたのが夜だったので今日はここで1泊
バスが終着駅につくと客引きの女の子がバス車内に入って宿の勧誘をしてきた
外で待機しないで中まで入ってくるなんて商売熱心だなと感じつつ、探すのがめんどうだったので声を掛けてくれて助かりました
昆明と元陽での寒かった中国の気候はウソみたいに景洪はすごく蒸し暑い
緑春のバスで隣だったハニ族のおじさんが夕食をごちそうしてくれたりユースの行き方を確認してくれたり、タクシー代を出してくれたりして親切でした
いざユースに到着するとドミの貸し切りでラッキー
ここはもう東南アジアにきたと言ってもいいくらい雰囲気も気候も似ている
寺院はタイ式の金色だし椰子の木や川の色や湿度の高い気温なんかももう中国とは思えない
そろそろウルムチで取得したビザが切れるので、ラオスでビザランするか中国国内でビザをまた取るつもりです
【新疆ウイグル自治区】ユーラシアの内陸で味わう開放感⑦
前回からのつづき・・・
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再・喀什(カシュガル)
そろそろノービザでの期限が切れるのを見計らってカシュガルに戻ってきました
南旅館で知り合った人はみんな口を揃えて「カシュガルでのビザ更新は確実にできる!」ってこと
中国ではビザなしで滞在し、地域によって短期ビザの取得ができるところ、できないところがありますが実際のところは不明
で、やっぱり本当にノービザからのビザって取得できるのかと不安だったけど、できる前提で次のトルファン行きの列車チケットを購入してたんですね
トルファンからその後のルートなんかもちゃっかりイメトレしてたんだけどな
祈る気持ちでいざ公安に行きますよね、で職員が険しい顔してパスポートを見てますよね
で、「上司に確認してみます」と言われていや〜な予感
で、ウィグル人の上司が出てきてこのセリフ「ゴメンナサイ」(ここだけ日本語
え?え、どういうこと・・・「ここではビザなしの状態から新規でのビザ更新はできません。ウルムチに行って手続きをしてください。今から行ってください」
いや、待って、すぐってここから1500km離れてる場所に今から行くの?
時刻は11時20分、まだ12時のチェックアウト間に合うわ
ウルムチに行けば絶対ビザもらえるんですよね?絶対?としつこく聞いておきました
こんな思いして万が一「ここではできません」なんて言われたらもうけっこうダメージ大きいですよ
中国で不法滞在すると高額な罰金があるし、中国強制追放とかされたら困るよ
そんなの無理、とかマイナスなことばっかりが頭をめぐっていきます
公安からユースまでダッシュで戻り、パッキングは史上初の15分で済ませた
落ち着いて、Wi-Fiがある今のうちにユースの住所も調べておかないと、着いたとき出来るだけ安心できる部屋を確保したいからね
こんな危機はじめてだわ、不法滞在になるのは避けたい、と思いながら列車の駅まで向かいます
列車の当日券なんてあるわけないよね、なんてたってウィグル1の大都市に行かなきゃいけないんだから
実際に窓口では「今日のウルムチ行きは席の空きはありません」と案の定言われて絶望的に・・・
でも奇跡は起きた、ダフ屋のおじさんが声をかけてきたおかげでウルムチ行きの券ゲット!
ついでに持っていたトルファン行きの券を払い戻しておつりも返ってきたしラッキー、これでなんとか間に合いそうです
烏魯木斉(ウルムチ)
烏魯木斉(ウルムチ)は新疆ウイグル自治区に位置する地級市、自治区首府。自治区人民政府が設置される中国西北部最大の都市である。言語・経済・政治の面などにおいて北京や上海よりもタジキスタンやウズベキスタンのような中央アジアとの結びつきが強い。
烏魯木斉(ウルムチ)
中国の旅で初めて乗る列車がこんなにドタバタ移動になるとは
もっと優雅にのんびりと長距離列車に乗るものだと思っていたんですけどね
ウルムチに着いた、とか喜びに浸るヒマもなく市内バスに乗ってる時間なんてないのですぐさまタクシーをつかまえて宿まで向かいました
ウルムチのユースホステル、白樺林のスタッフは親切に公安局の住所を教えてくれて、宿泊者の欧米人の女の子も混ざって公安の発音を中国式で教えてくれました
とりあえず走って日中までに間に合い、もうあらゆる不安から開放された瞬間だった・・・
ノービザからの申請は15日間延長のマイナス3日待ちで12日間の延長になりました
短いけどとりあえず12日間は滞在が延ばせたからいいとしましょう
ウルムチには最初行く予定はなかったのに、こうしてここにいるのが不思議だな
だって漢族が9割の街だと聞いていたからスルーしようと思っていたのにね
その通りで周囲には高層ビルが立ち並ぶただの都会でウィグル色なんてものは見当たらない
国際大バザールまで出かけてみるとまさにウィグルの縮図といった感じで、ごく一部のエリアにウィグル人が追いやられてるように見えた
もともとウィグルの地域なのにね、今や中国人が移住していたっていうよりもウィグル人が入り込んできたみたいに見えてしまう
そういった意味ではまだ庫車や和田のほうがのびのびと生活しているみたいだなぁ
濃かった2週間のウィグルもこれでおしまい
時間の短縮と移動費もそんなに変わらなかったので飛行機でウルムチ▶︎昆明に行くつもり、もうなんていうか中国大きすぎ
【新疆ウイグル自治区】ユーラシアの内陸で味わう開放感⑥
前回からのつづき・・・
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庫車(クチャ)▶︎喀什(カシュガル)までは途中、アクスって町で乗り換えが必要らしい
アクスにすぐ着いたはいいけれど、カシュガル行きはこの駅とはまた別のターミナルにあるそうです
言葉はまったく通じないけど漢字という強い武器を使って意思疎通をはかるおかげで無事バスの切符を購入しました
喀什(カシュガル)
喀什(カシュガル)は新疆ウイグル自治区カシュガル地区に位置する県級市である。同地区の首府が設置される。人口の80%は土着のウィグル族など少数民族が占める。カシュガル大都市圏人口は120万人に達する。古くからシルクロードの要衝として、またイスラームの拠点都市としても発展し、国家歴史文化名城に指定されている。
喀什(カシュガル)
乗り換えでのバスも難なくこなし、カシュガルに着いてからはユースホステルに泊まるつもり
ビシュケクの南旅館で会った人が「行く町にユースがあるなら絶対泊まったほうがいい。中国のユースはオアシスだよ」って言ってたので
そのとおり、交通賓館とは比べものにならないくらい清潔で活気があって明るいし、英語も通じる、情報がいっぱいあって何より安い
ここなら寝る時も落ち着けるなぁ、ユースホステルの存在を知れてよかった
庫車と比べるとカシュガルは旅行者も多くて賑やかだけど、ウィグル人とは少し絡みにくい印象、でもウィグルらしさを知りたくてそこらじゅう歩きまわりました
カシュガルにはまたあとで戻るつもりだったので、今回は2泊だけ滞在して他のウィグル地区に行く準備をします
次に行きたいと思っているのはタシュクルガンというところ
ユースでバス停の場所を確認してから行ったのにバスターミナルの窓口のおばさんに「タシュクルガン行き、没有(メイヨー)!」ねぇよ!と一言で片付けられる始末
和田(ホータン)
和田(ホータン)は新疆ウイグル自治区、ホータン地区に位置する県級市。高品質のヒスイの産地として知られる。地名の由来はウイグル語で「玉の町」。またオアシス都市国家でシルクロードの要衝であった。
和田(ホータン)
タシュクルガン行きが消えたので第二候補だったホータンに行くことにします
中国に来てからテンパる回数が増えたこと
残念なことにホータンにユースはない
中国各地のバスターミナルに隣接する宿泊施設、交通賓館は目の前にあるけど行きたくないしな・・・
周辺の招待所や住宿と表記される宿をのぞいてみますが、どこも暗くてホコリっぽくて刑務所みたいです
もうちょっと開放感のある雰囲気を心がけたほうがいいと思うけどね
ここならマシかなって入ってみた場所ではよくある「外国人お断り」の宿だった
「交通賓館なら外国人泊まれるよ」って言われたけど、そんなん知ってるよ
仕方ないけど80元(1300円)でこれか〜
しかもシャワーは壊れてて今使えないらしい・・・トイレにひとつずつ扉はあったもののなんせ汚い、汚さと不潔さに驚くばかり
中国人はトイレはもともと汚い場所だからきれいに保つ必要はないって思ってるんだろうか?ここまで違う、日本人との清潔意識
なんの情報もなしにホータンに来てしまったものだから、ますます何があるか分からない
とりあえずウィグル人が集まってるエリアまで歩いて探しました
地図もなかったのでどこの方角に行ったかは覚えていないけど40分くらい歩いたところはマーケットやら賑やかで活気にあるところだったのでたどり着けてよかった
ウィグル色がなかなか濃い街で歩いてて面白いものだらけな滞在になりました